フリーランスのデザイナーである主人公は、
不治の病で余命宣告を受け、
自らの死期までの時間をかつての思い出が詰まった実家で過ごしていた。
そんな枯れきった彼の前に、
シニガミを自称する黒くて白い1人の少女が現れる。
その不思議な少女は、
かつて両親を失ったばかりの主人公が共に過ごし、
筆おろしまで受けた相手。
あの日止まった時計の針は、
彼の寿命の炎の残り火とともに最後の躍動の時を迎え、
人生における心残り=初恋の少女との邂逅によって、
死を悟りセピア色に染まった彼の視界に色が満ちていく。
――これはそんな、
ひとつの夏とひとりの男の、
甘く儚く美しい…
終わりの時の物語。